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会社が残業代を出さない! 支払われない理由と違法の可能性があるケースとは

2019年10月10日
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会社が残業代を出さない! 支払われない理由と違法の可能性があるケースとは

毎月の給与明細を見ていて、残業代が支払われていない、または少なすぎると思っていませんか?会社から「残業代は支払われない契約だ」「基本給に含まれている」などと説明され、なんとなく受け入れてしまっていませんか?

残業代については、違法な未払いが横行しています。静岡県でも平成30年に、県交通安全協会が故意に職員らの残業代をカットしていたことが発覚。未払い額は2年間で総額約543万円にものぼるとされた事案がありました。

では違法な残業代の未払いとはどんなもので、どのように対処したら良いのでしょうか?静岡オフィスの弁護士がご説明します。

1、残業代とは

残業代という言葉は知っていても、どこからが残業で、どういった場合に支払われるのかを分かっていない方も多いでしょう。まずは残業代について簡単に説明します。

  1. (1)どこから残業?

    残業とは「所定労働時間」を超えて働くことです。
    所定労働時間とは、個々の企業が就業規則で定めている労働時間のことで、残業はそれを超えて働いた部分になります。

    所定労働時間とは別に「法定労働時間」という言葉もあります。
    これは労働基準法に基づくもので「1日8時間、週40時間まで」と定められています。この枠内であれば、設定は6時間でも7時間半でも問題はありません。

    一般的には所定労働時間、または法定労働時間を超えて働いた部分に関する支給分を「残業代」と呼びます。

  2. (2)割増賃金とは

    法定労働時間を超えた残業については、割増賃金が支払われます。また深夜残業や休日労働についても割増になります。割増率はそれぞれ以下の通りです。

    • 法定労働時間を超えた時間外労働:25%以上
    • 深夜労働(22時〜午前5時):25%以上
    • 法定休日の労働:35%以上

    それぞれが重なった場合には、割増率も加算されます。たとえば時間外労働かつ深夜労働の場合には割増率は50%以上となります。

2、会社から残業代が支払われない5つの理由

残業代が支払われないことについて、会社は様々な理由をつけて納得させようとしてきます。よく使われる説明としては次の5つがあります。当てはまるかどうか、確認してみてください。

  1. (1)管理職だから

    残業代が支払われない理由として、よくあるのが「管理職だから」です。

    確かに労働基準法第41条2項では「事業の種類にかかわらず、監督もしくは管理の地位にある者、または機密の事務を取り扱う者」については、労働時間や休憩・休日に関する規定を適用しないと規定しています。

    ですがこの「管理・監督者」の範囲は、会社が自由に決めて良いものではありません。きちんと労基法のもとに判断されなければならないのです。

    厚生労働省によると、管理・監督者の具体的な要件は次の3つです。

    • 経営者と一体的な立場にある
    • 出退勤などの労働時間について厳格な制限を受けていない
    • 基本給や手当等、地位にふさわしい待遇が与えられている

    たとえば課長に昇進しても、実際はアルバイトのような仕事しかしていなかったり、「管理職手当」が付いても昇進前と給料に変化がなかったりする場合にはこの要件が満たされているとは言えません。

    「管理職」という名目で会社が違法に残業代の支払いを免れる「名ばかり管理職」の可能性があります。

  2. (2)固定残業代制だから

    固定残業代制とは、あらかじめ給料の中に一定の残業代を含めておく仕組みです。外回りの営業職のように、会社が労働時間を把握しにくい労働者に適用されます。

    固定残業代制の場合、通常は支給分が「何時間分で、何万円の残業代か」ということが決められています。

    もしこの時間を超えた残業があった場合には、会社は超過分を支払わなければいけません。「固定残業代=それ以上の残業代はなし」という意味ではありません。

    まずはどのような計算で固定残業代が決められているのか確認し、未払い分がないか計算してみましょう。

  3. (3)年俸制だから

    年俸制とは、給料を月単位ではなく年単位で決める制度のことです。一般的には年俸を12ヶ月で割るなどして毎月支給していきます。

    年俸制だからといって、残業代はゼロというわけではありません。月給制と同じように、働いた時間に応じて残業代が発生します。

    また年俸制では、固定残業代制のように給料にすでに残業代が含まれていることが少なくありません。この場合、残業代の根拠とされている残業時間をオーバーした分は支払いを求めることができます。

  4. (4)みなし労働時間制だから

    みなし労働時間制とは、実際に何時間働いたかに関わらず、一定の時間働いたとみなす制度です。裁量労働制もこの一種です。

    みなし労働時間が法定労働時間内であれば、何時間働いたとしても残業代は発生しません。たとえばみなし労働時間が7.5時間で10時間働いたとしても、残業代はありません。

    ただし設定されているみなし労働時間がそもそも法定労働時間を超えている場合には、その分の残業代は支給されなければいけません。また深夜勤務や休日勤務については、割増賃金が発生します。

    また明らかに毎日10時間以上かかる業務なのに、みなし労働時間が8時間に設定されているような場合には、会社が残業代削減のために時間を短く設定している可能性がありますので、注意してください。

  5. (5)定時を過ぎるとタイムカードが押せなくなる

    労働者に残業をさせないために、定時を過ぎるとタイムカードが押せないようにしている会社があります。

    もちろん定時までに仕事が終われば問題はありません。ですが実際には終わっていないのにタイムカードだけを先に押させたり、暗に持ち帰り残業を促したりする悪質なケースもあります。その場合にはもちろん、働いた分の残業代を請求することができます。

3、残業代の未払いは処罰される?

残業代の支払いは、労働基準法で定められた会社の義務です。そのため未払いがある場合には、処罰される可能性があります。

  1. (1)労基署からの調査や是正勧告

    残業代の未払いが疑われる場合、労働基準監督署は会社に対して主に次のような対応を行います。

    • 立ち入り調査(臨検)、報告・出頭
    • 指導・是正勧告

    まずは会社に立ち入り、タイムカードをチェックしたり、労働者への聞き取りを行ったりして事実関係を調べます。会社に労基署への報告や出頭が命じられることもあります。

    調査の結果、違法ではないけれども改善すべき点がある場合には「指導」、違法性が確認された場合には「是正勧告」が行われます。

  2. (2)書類送検や逮捕

    労基署には、警察官と同じように対象の書類送検や逮捕を行う権限があります。

    そのため是正勧告を受けたにもかかわらず全く改善がされないなど、悪質なケースについては、労基署が労基法違反で書類送検を行うことがあります。さらに悪質な場合には、逮捕する可能性もあります。

    なお処罰は違法な残業を命じていた上司のほか、社長や会社そのものも対象となります。

  3. (3)労基法違反の罰則は?社会的影響も

    違法な残業代の未払いについて、労基法は次のよう罰則を定めています。
    「6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金」(労基法119条)

    刑罰としては決して重いものではないでしょう。ですが通常、労基署が是正勧告や書類送検を行うと、その内容は一般に公表されます。特に大企業への是正勧告や書類送検は、ニュースでも大きく扱われるでしょう。すると会社への社会的信用が失墜するなど、様々な影響がでてきます。

4、会社に残業代を請求する流れと注意点

ここまでの説明で「自分にも残業代の未払いがありそうだ」と思った方もいるでしょう。そこで実際に残業代を請求するための流れや注意点をご紹介します。

  1. (1)残業代請求には証拠が大事

    「未払い分の残業代を支払ってほしい」と言うだけで、それを裏付ける証拠がなければ、会社はまず取り合ってくれないでしょう。そこで次のような観点で証拠を集めましょう。

    まずは「正確な労働時間を把握するための証拠」です。

    たとえばタイムカードや勤務記録があります。ただし実際には残業しているのにタイムカードを押すことを強要されていた場合などは、正確な記録とは言えません。

    その場合は他の証拠として、メールの送受信履歴やパソコンのログイン・ログアウト時間などを利用しましょう。手帳に日々の出退勤時刻を記録しておくのも良いでしょう。

    次に「未払い残業代を計算するための証拠」です。

    残業代を計算するためには就業規則や雇用契約書など、所定労働時間や契約内容がわかるものが必要です。コピーをとっておくなどして保管しておきましょう。給与明細や源泉徴収票も重要な証拠です。

  2. (2)残業代を計算

    実際に会社に未払い残業代を請求するためには、金額をはっきりとさせておかなければなりません。集めた証拠をもとに、残業代を計算してみましょう。

    ベリーベスト法律事務所では「残業代チェッカー」というツールを無料で公開していますので、活用してください。

  3. (3)会社と交渉

    証拠の収集、残業代の計算ができたら、会社との交渉に入ります。
    まずは証拠を示し、未払い残業代を支払ってもらうよう直接交渉をしましょう。

  4. (4)労基署への申告

    会社が全く交渉に応じてくれない、または求めた金額を支払ってくれない場合には、労基署に事実関係を報告しましょう。

    労基署からの調査や是正勧告を受ければ、会社側も態度を変え、残業代を支払ってくれる可能性があります。

  5. (5)労働審判や訴訟

    労基署に申告をしたとしても、労基署は多数の案件を抱えているため、すぐに調査してくれるとは限りません。
    できるだけ早く確実に残業代を受け取るためには、労働審判や訴訟が必要です。

    訴訟を起こした場合には、未払い残業代以外に「付加金」や「遅延損害金」が請求できます。付加金は未払い残業代と同じ金額になります。単純に言うと請求額が2倍になるということです。また不払いが始まってからの遅延損害金も請求できます。残業代請求では最大14.6%までが認められています。

    また違法な残業や長時間労働で精神的苦痛を受けたとして、慰謝料が請求できることがあります。

  6. (6)残業代請求は時効に注意!

    残業代は在職中でも退職後でも請求ができます。ただし請求には2年間という時効があります。

    残業代に疑問があっても何も行動をせずにいると、時効となり請求できなくなってしまいます。時効が迫っている場合には内容証明郵便を送るなど、すぐに時効を中断させるための対応をする必要があります。

    ただし、内容証明郵便を送るだけでは完全に時効は中断しません。内容証明郵便を送付し「催告」すると、6ヶ月間は時効が中断しますが、完全に時効を中断させるためには、内容証明郵便を送ったあとに労働審判や裁判を起こす必要があります。

5、残業代請求を弁護士に相談するメリット

一人で会社と交渉して残業代を求めることは、とても勇気のいることです。また知識や証拠がなければ、会社も真面目に対応してくれないかもれません。そのため弁護士と一緒に進めるのがベストと言えます。

  1. (1)すぐに対応してもらえる

    労基署がなかなか動いてくれなかったり、会社が取り合ってくれなかったりすれば、時間だけが過ぎていっています。その間に時効を迎えたり、会社に居づらくなってしまったりするかもしれません。いつまでも解決できなければ、大きなストレスにもなるでしょう。

    弁護士に相談すれば、証拠収集や会社との交渉など迅速に行動をしてもらえます。弁護士がでてくることで、会社が真剣に交渉に応じてくれる可能性も高まります。

  2. (2)手間や時間が省ける

    会社との交渉や訴訟を行うためには、証拠集めや書類の作成が必要です。

    ですがすでに退職してしまっている場合には、証拠が残っていないことがあります。その場合には会社に資料の開示を請求したり、代替の証拠を探したりしなければいけません。

    また訴訟をする場合には様々な書類作成や手続きが必要です。法律知識が必要なうえ、手間もかかります。

    弁護士に依頼をすれば、こういった手続きのほとんどを代行してもらうことができます。

6、まとめ

真面目に働いたのに適切な残業代をもえらないことは、労働者にとっても屈辱的なことでしょう。

ご自分の残業代に疑問がある場合には、まずは弁護士に相談してください。ベリーベスト法律事務所では、残業代請求に関する相談を無料でお受けしています。静岡オフィスの弁護士がしっかりとご依頼者様のお話をお聞きし、最適な対応策を考えサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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